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2020.09.01 自動細胞培養システムを使用した自己骨髄細胞による肝臓再生療法の治験を開始

 国立大学法人山口大学(山口市、学長:岡 正朗)と澁谷工業株式会社(金沢市、社長:澁谷 弘利、東証Ⅰ部、以下「シブヤ」)は、肝硬変症※1に対する新しい治療法として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)や山口県等からの支援も得ながら、自動細胞培養システムによる肝臓再生療法の共同開発を進めて参りましたが、このたび治験計画届を独立行政法人医療機器総合機構(PMDA)に提出し、医師主導治験を9月より開始いたします。
 本治験は、山口大学大学院医科学系研究科消化器内科学教授:坂井田 功らの研究グループとシブヤが共同開発した「自己完結型肝硬変再生療法」※2に用いる再生医療等製品(細胞製剤)が対象です。山口大学医学部附属病院で患者さんから採取した骨髄液を金沢市内のシブヤ細胞培養加工センター※3に輸送し、無菌操作が可能な自動細胞培養システム(シブヤが設計製造したCellPROi)と培地メーカーと独自に共同開発した細胞培養液を用いて、骨髄液に含まれる少量の間葉系幹細胞を拡大培養します。培養した間葉系幹細胞は凍結保存され、品質・規格試験に合格した後、同医学部附属病院に輸送され、患者さんの肝臓に効率的に到達させるため肝動脈から投与されます。そして、投与後6ヶ月間にわたって安全性と有効性を確認する計画です。本治験では、肝性脳症や腹水などの症状がある進行した非代償性肝硬変症(Child-Pughスコア7点以上)を対象としており、ウイルス性肝炎(B型、C型)、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、自己免疫性肝疾患など肝硬変症の成因は限定しておりません。
 自己完結型肝硬変再生療法の特徴は、①患者さん自身の骨髄由来細胞を使用するため、投与時の免疫拒絶や副作用が起こりにくいこと、②間葉系幹細胞を効率良く培養することで必要な骨髄液が少量となり、骨髄液採取時に全身麻酔を必要としない低侵襲な治療法であること、③細胞製剤の製造を手作業で行う際に生じる課題を自動化システムによって克服し、安定した品質の再生医療等製品の供給と低コスト化が可能となったこと等が挙げられます。
 この肝臓再生療法は、既に国内外の製薬会社や病院との提携アライアンスの検討に入っており、治験が終了し再生医療等製品の承認取得後は、販売および治療の開始に移行することを目指しております。

詳しくは、こちら

~治験参加をご希望される患者さんへ~
 本治験は一定の条件を満たした場合に限り参加することが可能です。遠方よりお越しになる患者さんのご負担等を考慮し,本治験の概要をPDFにお示ししております。参加をご希望される方は,以下のリンクのPDFをお読みいただき,主治医(かかりつけ医)とご相談のうえで,「診療情報提供書及び参加条件スクリーニング票」を郵送いただきますようお願い申し上げます(送付先は4ページに記載しております)。


PDF「治験参加をご希望される患者さんへ」


自己完結型肝硬変再生療法の治療の流れ

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