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2018.08.20 放射線治療部 椎木健裕講師と創成科学研究科 藤井文武准教授の医工共同研究の成果に関する発表が、第60回米国医学物理学会年次講演会にて優秀研究賞に選ばれました

 放射線治療部の椎木健裕講師と、創成科学研究科・工学系学域の藤井文武准教授らの研究グループが手掛けた、「呼吸性移動を伴う腫瘍に対する放射線治療の品質保証の高度化」の成果に関する研究発表が、7月29日から8月2日までアメリカ・テネシー州で開催された第60回米国医学物理学会(AAPM)年次講演会にて、優秀研究賞(Best in Physics distinction)に選ばれました。
 呼吸性移動を伴う腫瘍(例えば、肺がん、肝がん、膵がんなど)に対する放射線治療は、臨床的にも技術的面においても難しい治療法の一つとして知られています。今回の発表では、呼吸により腫瘍位置が変化する腫瘍に対する放射線治療の品質保証にロボットマニピュレータを導入し、現在臨床においては1次元だけの検証に留まっている呼吸性移動を考慮した品質保証を3次元空間で実時間に行えるようにするシステムの提案を行い、山口大学医学部附属病院が世界に先駆け臨床開始した動体追跡放射線治療への応用可能性を示し、呼吸性移動を伴う腫瘍に対する高精度放射線治療を、安全に実施することが可能であること証明しました。
 今回の講演会では2000件以上の研究発表が行われましたが、優秀研究賞は「治療技術」「画像処理技術」「治療と画像処理の融合」の各カテゴリーで5件ずつしか選定されません。また、受賞した研究には特別口頭発表およびポスターセッションでの発表の機会が設けられ、多くの来訪者に成果を周知し意見交換することが可能となっています。おそらく、本賞をこれまでに受賞した日本人グループは初めてで、山口大学発の医工共同研究が世界へ認められたことを示しています。
 今回の受賞に関し、椎木講師は「本研究の成果は、様々な呼吸性移動を伴う腫瘍に対する高精度放射線治療を、 安全に患者さんへ提供する一助となると期待されます。 本研究を遂行する上で、 協力していただいた多くの方々に感謝申し上げます」と、藤井准教授は「医療技術の進歩に関与する研究に参画する機会を頂いた全ての皆様、協力企業の皆様に感謝するとともに、一定の貢献ができたことをうれしく思います。他の共同研究課題でも貢献ができるよう今後も努力します」と受賞の喜びを語りました。


学会で来訪者に説明をする椎木講師

放射線治療室内に設置された開発したロボットシステムと研究チーム

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