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2015.08.21 東洋鋼鈑と山口大学との共同研究から生み出される遺伝子検査チップ ~がん治療薬の効果・副作用が治療前に判明、効果的な治療法の選択が可能に~

近年の医学研究は,画一的な治療から患者一人ひとりにあった治療,いわゆる個別化医療へのシフトが強く望まれています。個別化医療の実現により, 患者の生活の質(Quality Of Life;QOL)の向上や年々増加傾向にある医療費削減へも寄与できることから,厚生労働省も個別化医療の実現をテーマとして掲げています。
山口大学大学院医学系研究科と山口県下松市に製造・研究拠点を持つ東洋鋼鈑株式会社は,2007年頃から岡学長(当時第二外科教授)らと共にDNAチッ プの開発を開始し,2013年には「遺伝子多型研究会」を開催,医学系研究科の多くの講座と協力してマーカー遺伝子の探索等の共同研究を進めてきました (図1)。
この度,その共同研究の成果として,がん治療薬の効果や副作用を高精度で調べることのできる低価格の遺伝子検査用チップが開発されました(写真1)。こ の遺伝子検査用チップは,患者の血液から取り出したDNAを同社の技術で製造したチップと反応させ,従来のチップの5~10倍の精度で判定する方法で,が ん治療での薬剤の効果が事前に分かったり,副作用を事前に予測したりすることで,効果的な薬剤を選択する等の治療方針の決定に大いに役立つと考えられてい ます。
厚生労働省の認可を受けたうえで,まずは消化器系がん治療薬の効果や副作用を調べるキットを販売,1年以内の製品化を目指し,今後は様々ながん治療薬にも対応できるようにしていく予定です。
なお本研究開発の一部は,山口県の「やまぐち産業戦略研究開発等補助金」事業の成果です。

・この件に関する詳細は下記までお問い合わせください。
山口大学 大学研究推進機構 研究推進戦略部
URA室(小串:ライフサイエンス支援室)
TEL 0836-85-3062

山口大学との共同研究開発体制
DNAチップの外観写真
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